『Smoking gun』
直訳すると「銃口から煙が出ている銃」
英語における慣用句で、「決定的な証拠」という意味を持つ言葉です。
日本にも、これと似た意味を持つ、同じような言い回しの諺があります。
『火のないところに煙は立たない』
今回は、この二つの慣用句と諺の意味や使い方、そして言葉の持つ不思議な魅力を考えていきましょう!
“The Emitted Bullet -放たれた弾丸―”
『スモーキング・ガン』とは「銃から煙が出ている状態」
つまり、“事後”の“物的証拠”を表しています。
それにもちろん「銃」というのは武器であり道具、人の手によって扱われてのみ効果を発揮する物であります。
従って、この慣用句が描写する光景は
「発砲後の拳銃を手に持った人間」
であり、それは“事件”や“罪”といった意識を補強するものになります。
人が作った武器を用い、人が生きる社会の中で、人が銃を発砲した
それがたとえ不慮の事故や正当防衛の結果であったとしても、人はその罪の意識から逃れることはできません。
この言葉は、そういったいわば『有罪判決』のような含みを持っています。
“原因のない結果は存在しない”
一方、「火のないところに煙は立たない」は、ある意味で全く真逆の表現であるともいえます。
どこまでも社会的で人間視点に立っていた銃口の煙と違い、こちらの火から出る煙は、あくまで“自然現象”における“現象の結果”です。
偶発的なものとも考えられますし、人の手によるものだったとしても、それは煙草かもしれないし、キャンプファイヤーかもしれないし、花火かもしれません。
つまりこの言葉には“悪意”が介在しないのです。
もしもこれが罪を戒めるような言葉ならば、「放火趣味者は煙の臭いのする服を着る」とかになるはずです。
こういったことから、この諺が示すのはより概念的な、自然発生的意味を持った指摘であると考えられます。
実際の意味としても、「うわさが出るからには必ず原因があるはずである」という教訓であり、比較的柔らかな表現であるといえます。
“鞘から抜かれた刀”
まとめると
「お前がやったんだろう!」というようなニュアンスを持つ「確定的な断定」が
『スモーキングガン』であり、
「結果があるってことはなんらかの原因があるはずだよ」という「原因の存在」を示すのが『火のないところに煙は立たない』であるということです。
似たような表現で同じ意味を持つ言葉でも、深く考えてみれば、違った点が見えてきます
また、国によっても形を変えるのも面白いところです
もし日本で『スモーキングガン』のような言葉が生まれていたとしたらきっと、
『鞘から抜かれた刀』とかになっていたんでしょうね。
そして原因を巧みに隠すことを『居合切り』とも呼んだのかもしれません
推理ドラマに出てくる犯人はまさに『居合切りの達人』であり、事件を解決する探偵は『鋭い動体視力を持った受け身の剣士』になりますね!
こんな風に想像を膨らませていけば、言葉はどこまでも面白くなります
あなたも、普段何気なく使っている言葉について、考えてみてはどうでしょうか
きっと、新しい世界だ見えてくることでしょう
それでは、また夢鳥で会いましょう!
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